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「五輪の年には文化省」キャンペーンイベントを開催しました
「五輪の年には文化省」をスローガンに、文化省創設に向けて映画、美術、実演芸術、多様なジャンルが一体となって、一連のキャンペーンイベントを開催しました。
11月12日(土)に新国立劇場中劇場にて開催した「『五輪の年には文化省』宣言と公演~文化芸術の力をすべての人々に~」では、900名を超える来場者が集い、ホワイエでの美術展、宣言そして公演を通して文化省創設に向けての思いをともにする機会となりました。
文化省創設に賛同する138名の美術家が新作を寄せた「アーティストによる新作オークション」では、絵画、工芸、現代美術が展示され、ハレの日の劇場が、この日は一段と特別な装いとなりました。本オークションは、11月9日~11日には東京美術倶楽部でも開催され、売上より「熊本地震被災文化財等復旧復興基金」、「地震1年後に熊本の『復活』を祈るコンサート」に合計約870万円が寄付されました。また、エントランスには、キャンペーンに賛同する実演家をはじめとする文化芸術関係者の応援パネルが設置され、多くの人が足を止めていました。
第一部では、宣言「五輪の年には文化省」として、芸術界を代表して青柳正規氏(前国立西洋美術館館長・前文化庁長官)、郡愛子氏(声楽家)から文化省創設を求めるスピーチがあったのち、これまで3年間の議連での検討をふまえ河村建夫衆議院議員(文化芸術振興議員連盟会長)、高木美智代衆議院議員、市田忠義参議院議員(議連副会長)、伊藤信太郎衆議院議員(議連事務局長)、浮島智子衆議院議員(議連事務局次長)それぞれから今後に向けての決意が述べられました。最後に、野村萬文化芸術推進フォーラム議長より、文化芸術の持つ多面的な力を生かし、世界平和に貢献する国づくりの要となる文化省創設を求め、運動を開始する宣言がなされました。
*宣言文はこちらからダウンロードいただけます。
舞台中空に華道家・勅使河原茜氏監修による竹のオブジェが飾られた空間で、引き続き、永遠の平和を希求する心を内包した能「高砂」の一場面が上演されました。うねるような能管の旋律のあとに日本劇団協議会加盟劇団の有志24名による謡、そして観世銕之丞氏(シテ)の舞と本公演ならではの演出で未来への願いが表されました。
第二部では、「復興、そして未来への希望」と題して、時代の転換期や困難なときに力を発揮した象徴的なプログラムが上演されました。「復興コンサート『鎮魂、そして希望』~それは、2011年3月26日、仙台から始まった」では、東日本大震災からわずか15日後から、自ら被災しながらも被災地での演奏活動を再開した仙台フィルハーモニー管弦楽団の当時の公演プログラムが、日本オーケストラ連盟加盟のオーケストラ団員有志により再演されました。バッハの「アリア」、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」(第1楽章)、エルガーの「愛の挨拶」、ソプラノの幸田浩子氏とともに演奏された「アヴェ・マリア」、「ふるさと」(指揮:大井剛史)。まさに心癒される美しい音楽の演奏後には、仙台フィルの山本純氏(チェロ)によって、誰もが不安と闘っていた日々、少しでも人々に心休まる時間を・・・と思って活動していた当時を振り返るエピソードが語られました。
朗読劇『シュレーディンガーの猫』より は、福島県大沼高等学校演劇部の生徒たちの意見をもとに顧問の佐藤雅通先生が書き上げたものが原作となっています。シュレーディンガーの猫は、「生きている状態と死んでいる状態が、50%の確率で同時に存在している猫」のこと。想像上の物理の実験で、箱の中で放射性物質に運命を握られているこの猫と、原発事故から生き残った自分を重ねあわせ、避難と転校生活の中、悩みつつも前を向いて生きている高校生の姿を描いています。横山幸雄氏のピアノ演奏を交え、文学座有志による朗読劇として演出され、震災と生き残った人の気持ち、言葉が織りなす情景に、客席では涙する姿もみられました。
ダンス「プロメテの火」は、江口隆哉、宮操子夫妻がゴジラの作曲者で知られる伊福部昭氏とともに、占領下の重苦しさから曙光を求め、プロメテウス(神人)が人間に火を与えるギリシャ神話をベースに創作したものです。1950年に初演され100回近く公演が行われたものの、楽譜が行方不明となったため、長らく歴史に埋もれていましたが、2016年5月に復元されました。今回はプロメテウスが火を盗む情景を描いた「第二景 火を盗むもの」、火を与えられたものたちが人になっていく姿と歓喜を表した「第三景 火の歓喜」が上演され、群舞の表す原始的な人々の肉体からあふれる喜びのエネルギーに圧倒される舞台となりました。
最後は、総合司会を務めた堺正章氏からの「世界中の人が集まるオリンピックは文化の祭典でもあり、将来にわたって日本文化を発信する文化省を創設してぜひレガシーとしてほしい、文化省創設に向けてがんばりましょう」という力強いコメントで締め括られました。伝統芸能、音楽、舞踊、演劇、映画、美術など文化芸術に携わる人々が力を合わせて開催した「『五輪の年には文化省』宣言と公演~文化芸術の力をすべての人々に~」。この催しを通して文化省創設に向けての力強い一歩が踏み出されました。
すでに400名を超える文化芸術関係者からの賛同も寄せられていますが、文化芸術推進フォーラムでは、引き続き、より多くの方々に文化省創設キャンペーンについてのご理解・ご支援を賜り、国を動かす大きな力にしていくために、活動を続けてまいります。ぜひキャンペーンサイトからの賛同表明にご協力ください。
※11月11日、憲政記念館にて開催しました、東京・札幌オリンピック映画上映会と篠田正浩監督によるトークイベントのの模様は、こちらをご覧ください。